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姓(氏、苗字)の歴史に関する本は何冊かあるが、本書は名前(諱、号、字)に重点を置いて解説している点が特徴的だと思う。
男女の名前の、古代から現在にいたるまでの変遷と、宗教や思想、歴史的背景が名前に及ぼした影響について解説されている。日本人の名前に対する「思い」が伝わってきて、興味深い。また、本書では現在を中心に「人に名前をつけるということの意味」を深く評論していて、単なる「名前の歴史の解説」だけにとどまっていない。
現在の、子供に対してあたかも語呂合わせや当て字、源氏名のような名前をつける風潮について、その原因や社会的背景を指摘し、このような風潮を深く憂慮している。「親が子供に名前をつける権利」をいったいどのように解釈すればよいのか、実際の裁判の判例などを挙げて考察している。
子供に命名するときに、姓名判断のような書籍を参考にしたり、音のいい名前に漢字を当てはめたりするのもひとつの選択だと思います。しかし本書を読んで、歴史の中からも学び、一人の人間に名前をつけることの意味を深く考えるのも重要なことだと思います。