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新書版ながら、緻密な内容と彫琢された文章とで、読者を覚えず中国宮廷の宦官たちの世界に引き込んでくれる名著です。 本書を読んで中国史や宦官に関心をもつようになった人々も多いかと思います。
その後も宦官についての本は何冊か出版されていますが、やはりこの作品が一番「面白く」読めるため、ロング・セラーであり続け、また英語にも翻訳されているのでしょう。
ただ本書はあくまでも新書という「入門書」であり、出典や典拠はほとんど明記されていませんし、また漢・唐・明の3王朝に焦点をあてて描いているため、歴代を通しての宦官たちの生活、活躍ぶりを網羅的に知ることは叶いません。
なろうことならば、日本にも「宦官」ないし「去勢者」研究の専門家が現れて、中国歴代の宦官史、さらには古今東西・世界中の去勢および去勢奴隷(自宮者や宦者その他を含めて)の文化史をものしてくれるように期待しています。
宦官という存在とその身体的特徴、そして中国史を語る上で彼らの役割が良い意味で評価されることが殆んどない、というくらいしか知識がなかった私でも、その成立過程から権力を得るに至った理由、中国史における彼らの位置付けを解りやすく解説した本書を飽きることなく読むことができた。
表紙裏には老宦官の写真が掲載されているが、なんともいえず薄気味の悪い異様な風貌だ。男が去勢されるとこんな風になってしまうのかと妙な気分になった。