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日中2000年の不理解―異なる文化「基層」を探る (朝日
日中2000年の不理解―異なる文化「基層」を探る (朝日新書)
  • 出版社/メーカー  朝日新聞社
  • 作者  王 敏
  • 定価  756円
  • Amazon価格  756円
  • 発売日 
  • メディア  Book
  • (2009-01-07 16:47:28 時点)

Amazonユーザーレビュー

中国人の日本論

著者も最後に断っているように、本書は一応「日本論・日本人論」であり、タイトルはややズレているようにも思うが、むしろ本書からうかがえるのは、「中国人の日本観」あるいは「中国人の世界観」とでもいうべきものである。

著者は「日本はもっとこうすれば、世界に分かってもらえる」と日本を「諭す」。この所作こそが、典型的な中国人のものである。つまりは、何らかの価値観で世界を塗りつぶすことができる、あるいは、相互に理解が可能である、と考える。これを中華思想と呼ぶかなんと呼ぶかはさておき、こういうことを考えるのは、世界広しと言えども、アメリカと中国ぐらいのものであろう。我々島国の住民は、そもそもわび・さびやタマちゃんについて世界に分かってもらおうとは思っていない。

同書中の日本人論・中国人論はまあそれなり、という感じだが、一つ著者に聞いてみたいのは、中国人の「ホンネとタテマエ」についてである。本書では「中国人は義をもっとも大事にする」と繰り返し述べるが、実際に中国人と接すると、どう考えても真逆としか思えないからである。

日本人が日本人であることの快感を教えてくれる本?

上海のスターバックスで本書を一気に読みました。読み終えてまわりの中国人の顔を見ながら、自分は日本人に生まれて本当に良かったと思いました。

自然と共に生き動物に共感する日本人、自然と対峙し人間と動物を峻別する中国人。アイマイが好きな日本人とスジを通す中国人。自身ではなかなか気付くことのできない日本文化の特殊性を中国との対比で気付かせてくれます。そして著者も指摘するように、そのことの自覚がないと独善に陥る危険性があることも教えてくれます。

教訓はともかくも、九尾の狐伝説(歌舞伎座で菊五郎演ずる九尾の狐の宙乗りを観たのを思い出しました)やアザラシのタマちゃん(なつかしい!)から韓流ドラマ「チャングムの誓い」などなど、具体例をあげての分析は読み物としても大いに楽しめるのでおすすめです。

著者の日本文化理解は相当なもので、そのコアは宮沢賢治の研究から得たもののようです。世界標準に近いのは日本人ではなく中国人の方だろうなと思いつつ、やはり自分は日本人で日本が大好き、それで良いではないか、そう思わせてくれる本です。それは著者が日本を心から愛しているからなのでしょう。

性急で固定観念に満ちた比較文化論

性急で固定観念に満ちた漢民族から見た比較文化論である。

小著は日本人・日本文化論の範疇に属するかも知れない。日本文化を感性文化と特色付けて輪郭だけを描くことに主眼をおいた。そして、この宿命的な感性文化のマイナスを克服して、日本は国際化を図らなければならない。

尚且つ、「キリスト教、イスラム教、儒教文化圏の人々から見て、日本文化は完全に異文化である」と指摘するに至っては、漢民族を普遍的とした中華思想を発露した傲慢さが感じられるとしか言い様が無い。

要は乱暴な国家論で文化を論じるのでなく、個人の主体性が問われる時代に来ていると言うのが妥当な見方だろう。

なかなか読ませる比較文化論

ある意味、古典的な「外から見た日本のユニークさ」論。
こういうのに(自分を含め)日本人は弱い。
著者が日本文化に非常に肯定的なこともあり、読んでいてちょっと嬉しくなってしまう。

だが、やはり本書は「不理解」の方をこそあぶりだす本。
特に第6章は秀逸。
有名な杜甫の「春望」も、日本人と中国人ではここまで感じ方が違うとは・・・。
そういった事例が次々出てくると、歴史問題における日中の対立は永遠に解けないのではないか、という気分にすらなってくる。

軽く読み流すことも可能だし、いろいろと深読みも可能な一冊だ。

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